野崎日記(427) 韓国併合100年(66) 日本の仏教(9)
引用文献 大江志乃夫・浅田喬二・三谷太一郎・小林英夫・高崎宗司・若林正丈・川村湊編[一九九 三]、『岩波講座・近代日本と植民地』(第四巻)岩波書店。柏原祐泉[一九七五]、「明治期真宗の海外布教]、橋本博士退官記念仏教研究論集刊行会...
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二 大教院運動に抵抗した島地黙雷 大教院運動を担う教導職に、上述のように、仏教界から結構多数者を参加させたが、その位は総じて低かった。教導職の職位には一四の階級があった(18)。しかし、僧侶の階級は、第六番目の「権小教正」(ごんしょうきょうせい)以下であった。...
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三 長州閥と浄土真宗本願寺派 大日本帝国憲法(以下、明治憲法と略する)は、明治二二(一八八九)年二月一一日に発布され、翌年の明治二三(一八九〇)年一一月二九日に施行された。 その第二八章は、「信仰の自由規定」の名の下に、「信仰の自由」どころか、いわゆる邪宗門(20)を取り締まる規定としてあまりにも有名になった条項である。...
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四 浄土真宗による執拗なキリスト教批判 東本願寺派円光寺(えんこうじ)に樋口龍温(りゅうおん)という僧侶がいた。一八六五年から東本願寺高倉学寮において、当時の仏教を取り巻く思想状況を講義し、その講義録が生徒のノートとして残されている。「急策文」というノートがそれである(小林・栗山[二〇〇一]、一九ページ)。 それによると、仏敵は四つある。要約する。...
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注 (1) 「不受不施」(ふじゅ・ふせ)の「不受」とは、謗法(ぼうほう。注・仏法をそしり、真理をないがしろにすること)の供養(くよう。注・仏、菩薩、諸天などに香・華・燈明・飲食などの供物を真心から捧げること)を受けないということである。「不施」とは、謗法の人のために祈念・読経・唱題をしないということである。...
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(5) 平田派の明治維新期における影響力は短命に終わり、すぐに、津和野派に実権が移った。津和野派の福羽美静(ふくば・びせい)が実質的な権力を握ったものと思われる。...
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一 組合教会の源流=ピューリタン 日本のキリスト教各派で朝鮮布教にもっとも積極的であった会衆派教会(組合教会)(1)の源流はピューリタン(puritan=清教徒)である。 ピューリタンは、英国国教会(Church of England、Anglican Church)の改革を唱えたキリスト教のプロテスタント、カルヴァン(Jean...
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二 米国における海外布教組織の形成 一六三六年に、牧師と入植地指導者を養成するためにハーバード・カレッジ(Harvard College)が創設された。これは、会衆派教会牧師のジョン・ハーバード(John Harvard, 1607〜1638)の名にちなむ(9)。 一六三五年、英国国教会から聖職者としての権利停止処分を受けていた(10)リチャード・マザー(Richard Mather,...
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三 日本組合教会の朝鮮布教 米国連邦政府は、米国の対外膨張にこうしたキリスト教の海外伝導熱を積極的に利用していた(塩野[二〇〇五]、二六〜二七ページ)。 例えば、一八八五年に『わが祖国』(Our Country)(Strong[1885])という、三〇年間で一七五万部を販売するというベストセラーを出したジョサイア・ストロング(Josiah Strong,...
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海老名は豪語した。時の首相・大隈重信と朝鮮総督・寺内正毅(てらうち・まさき)の依頼によって、渋沢栄一(しぶさわ・えいいち)が音頭を取って、三菱、三井、古河財閥からの朝鮮布教の募金が実現したと(「日本組合教会第三〇回総会朝鮮伝道現況報告」、『基督教世界』一九一四年一〇月八日付、小川・池[一九八四]、二〇四ページに所収)。...
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